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ネイネイ solo exhibtion「性格が悪いのは私のせいじゃない」

2022/10/07(Fri) - 2023/10/21(Sat) 平日12:00~18:30 土日祝12:00~17:00 ※会期中無休 at 石川画廊(東京都港区赤坂2-21-5)

「私はどこのだれでもない 私は私 私は東京少女」 東京少女

「<東京少女>とは、私の理想とする抽象的で架空の少女像である。それは原宿の街角で、そして東京だけでなく、世界のいたるところの街角で、さらに、新旧の時代を超えて、日々変容しながら生きている<東京少女>である。私はイラストレーションとアートの重なりを実現する「越境的イラストレーション表現」の視点から制作活動を行っている。

<東京少女>は、どこかに具体的に存在している人物ではない。それは誰もが心の中に持っているもの、あるいは日常に潜み、何かの機会に意外性をもって呼び起されるもの、大人の秩序という安定した社会的日常性に抗体として激しい不快感をもたらすもの、身体の至る所に痒みや痛み、腫脹を生み出していくものでもある。一つの架空の人物像は、人間の心の、根底からの複雑な階層を持つ心性を表すものとして、少女性を持つ人・少女性を追いかける人・年齢・性別・国と関係なく少女性を死守する人の象徴とも言えよう。その意味で東京少女はどこの誰でもなく、しかも、どこの誰にもなり得る存在なのである。東京少女は言う「私はどこのだれでもない。私は私。そして私たちはどこにいても東京少女である。」

表現の面では、外国人から見た日本の文化の「ずれ」を意識し、違和感やギャップをつくり、取り込む試みを続けている。平安時代から形成されている「国風の形」としての「引目鉤鼻」式人物描法を浮世絵・マンガと関連づけながら、代表的な少女の記号として現代に生きている人間の真実、生の状況を切り取り、豊かな生命感を与えたものが、私の独自の<東京少女>という様式である。

この社会においては、少女というものが持つ柔軟な世界観、意識、認識、頑固さ、一見偏見のような見方を表現することが、時には「カワイイ」を超え、まさしく「毒」を持つ<東京少女>として、容赦のない残酷なあり方で機能する。私が捉えようとしている主張や強さを伴う「カワイイ」は、「幼い」と「蠱惑」などの両義性を含む多義性と複雑さを内に秘めて、「少女性」と「毒」という、相反する性質の融合を生み出した。それこそ「性格が悪いのは私のせいじゃない」という東京少女の警告である。

これらの重層的な「カワイイ」を基本に据え、現代日本で外部からのグローバル化が見逃している少女性の本質としての「グローカル化」すなわち、「私はどこのだれでもない。私は私。」に焦点を当て、日本発「カワイイ」を<東京少女>を通して、あらゆる既存の枠を超えた新たな「カワイイ・カルチャー」として発信することに挑戦していく。」

ネイネイ